ラルフ・ヒュッター、「Trans-Europe Express」を語る (2/2) (クラフトワークのアルバムを語る (7/10))
時たま思い出したように取り上げてるクラフトワークだけど、これはアルバムごとにラルフ・ヒュッターが解説を加えている記事。「Uncut」誌の2009年10月の記事が去年の「Retrospective」ツアーに向けてウェブにアップロードされたものなので、その時に紹介すればよかったかも。全8枚。
→ Uncut | Kraftwerk - Album by Album
「Trans-Europe Express」(1977) (続き)
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「Showroom Dummies」は、人間からマネキンへ、そしてロボットへの転換だ。固まったポーズから機械仕掛けの動きへのだ。我々は「ロボット化」を目指していたんだ。この言葉でいいかな。この曲は我々自身のことを歌っている。嫌ってほど写真を撮られるようになったんで、マネキン、さらにはロボットを持ってきたんだ。我々よりずっと我慢強いからね。クラブに行くっていう歌詞は、我々の日常生活そのままだ。ドイツは夜間規制がなくて、クラブは夜遅くにオープンする。イギリスとは違う。ラストオーダーが21:30だなんて、お笑いだ。この曲はしばらくは演奏しなかった。だが、1981年にはかなり演奏した。この先もやるだろう。意味のある曲だからだ。
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このアルバムは全米ディスコ大賞を受賞した。最優秀ヨーロッパ・ディスコ・バンドだか何だかだ。おかしいよな。アルバムが出た時、プロモーションのためにニューヨークにいたんだが、キャピトル・レコードのディスコ部門だったかの人が、フローリアンと私を違法なクラブに連れてってくれた。踊っていたら、「Metal on Metal」がかかった。知ってる曲なわけだが、なぜか5分、10分、15分、20分、延々と続いていく。何が起きたんだ? 見ると、2枚のレコードを回して、バンバータがDJをやっていた。すごく面白かった。彼らは、その1977年に、そういう実験を始めていたんだ。「Planet Rock」が出てきたのは、5年後だ。最初は私の名前をクレジットし忘れてくれてたんで、版権管理人に入ってもらったら、その後はクレジットしてくれるようになった。たぶん、当時はクラブ通いのせいぜい数千人が相手だったからだろう。それが爆発的にブレークしたんだよ。
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