ラルフ・ヒュッター、「The Man-Machine」を語る (クラフトワークのアルバムを語る (8/10))
時たま思い出したように取り上げてるクラフトワークだけど、これはアルバムごとにラルフ・ヒュッターが解説を加えている記事。「Uncut」誌の2009年10月の記事が去年の「Retrospective」ツアーに向けてウェブにアップロードされたものなので、その時に紹介すればよかったかも。全8枚。
→ Uncut | Kraftwerk - Album by Album
「The Man-Machine」(1978)
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「The Robots」より10年近く前、まだアートセンターで演奏してた頃、このドラム・マシーンをすでに使ってて、フィードバックやストロボも交えたステージをやってた。自分たちがステージから降りた後も、このマシーンに合わせて、観客たちが踊り続けてるんだ。まだクラフトワークはなかった。「The Robots」もなかった。「The Man-Machine」のアルバムもなかった。だが、コンセプトは当時からあったんだよ。
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「The Model」の歌詞は、英語もドイツ語も全く同じだ。たしか自分で訳したと思う。何に金を払うか、美しいものに払う、そういう意味だ。シニカルだよな。これを出して後、クラブに行くたびに、みんなから聞かれたよ。あれって私のこと? これって誰のこと? いや、誰のことでもない。
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言葉は音楽の一部でしかない。「Autobahn」や「The Man-Machine」のように、サウンドがすべてなんだ。マシーンで音楽を作ってるから、最高の音楽ってのは、みずから出来上がってくる音楽なんだ。私を通してかも知れないし、友だちや仲間を通してかも知れないが、自然に出来上がってくるものなんだ。いつもうまく行くとは限らないが、いつもそれを目指してる。喋りからの作曲が一番うまく行ったのは、(「Electric Cafe」収録の)「Boing Boom Tschak」だ。音楽みずからが喋ってる。それは無限に続く音楽でもある。このコンセプトなら、5分と言わず、5時間でも5日間でも続けていける。
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