ケン・スコット、デイヴィッド・ボウイ「Ziggy Stardust」を語る
1960年代から1970年代にかけて活躍していたエンジニア/プロデューサーのケン・スコットがザ・ビートルズやジェフ・ベックについて語っていた続き。「Guitar World」誌サイトの2012年4月の記事より。
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アビー・ロード・スタジオからトライデント・スタジオに移って、そこでデイヴィッドのデビューアルバム (1967年のではなく1969年のアルバム) と「The Man Who Sold the World」のエンジニアを担当した (どっちもプロデューサーはトニー・ヴィスコンティ)。ある時、デイヴィッドと何かを作ってる最中に、プロデュースもやってみようか、って言ったら、新しいマネジメントと契約して、もうすぐアルバム作りを始めるけど、自分だけじゃプロデュースに自信がない、って言うんだ。それで共同プロデュースするようになって、「Hunky Dory」を作った。
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「Ziggy Stardust」では、デイヴィッドが曲のデモを作ってきて、バンドがそれを前もって聴いておけることもあったけど、たいていは彼がその場でバンドに曲を教えていた。どのトラックも最初はベースとドラムス、後せいぜいピアノだけ、それも一発録りだった。デイヴィッドが飽きっぽいもんで、どんどん進めてかないといけなかった。少なくとも当時はそうだったが、今でもそうなんじゃないかな。テイクが3回め、4回めになってきたりすると、もう次に行きたがるんだ。ミック・ロンソン (ギター) は自分のパートをいつもおそろしく素早く片付けちまってたよ。
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デイヴィッドは、一緒に仕事した内で、もっとも驚異的なヴォーカリストだ。私がプロデュースした4枚のアルバムで、ヴォーカルの95%は1回のテイクで済んでる。最初にレベル合わせをしたら、最後までそれで行ける。ピッチ補正もパンチインも何も要らない。1テイクで完璧なんだ。
ちなみに、アルバムの正しいタイトルは「The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars」。
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