マイク・オールドフィールド、「Tubular Bells」以外を語る (5/14)
「Innerviews」サイトの2013年の記事より。2012年のロンドン・オリンピックの開会式に出演した話から始まっている。スペインのマヨルカ島でぐーたら過ごしてた師匠のケヴィン・エアーズを見習ってか (笑)、今はバハマのナッソーで悠々自適なのだそうだ。
→ Innerviews | Mike Oldfield - The Messenger
あなたのアルバムを全て一通り聴き直してみると.....
- アルバムを全てだって? 36時間分もあるんだよ。
どの音も全て頭に入ってますよ、たぶん。
- あはは。
どのアルバムもその折々の時代を反映してるような気がするんですが。
- そんなことはない。80人での最初のツアーが終わった後、すぐにスタジオに戻って考えたのが、「さて、何をやろうかな。よし、全く違うものをやってみよう」。それでニューヨークに行って、セッション・ミュージシャンを集めて、「Platinum」を作って、ツアーに出た。そのツアーから戻ったら、今度はデイヴィッド・ヘンツェルと組んで、「QE2」を作った。20年の間、アルバム、ツアー、アルバム、ツアー、ずっとそんな生活だよ。もう何百人ものミュージシャンと仕事して、数え切れないほどの旅をしてきた。しまいには、フランクフルト空港に住んでんじゃないかって気がしてきたほどだ。巨大なハブ空港で、ヨーロッパのどこに行くにも、そこを通るからね。もちろんニュースは見るし新聞も読むから、世の中のこととか知りはするけど、政治なんかには全く興味がない。
西洋音楽にアフリカ音楽やケルト音楽を持ち込んだ最初のミュージシャンの一人ですよね。「Ommadawn」がそうですが、ワールド・ミュージックへの興味はどこから来たんですか。
-
イギリスのレコード屋でだな。当時はレコード屋ってものがあってだね (笑)。しばらくロサンゼルスに住んでた時には、タワーレコードによく行ってたよ。それはさておき、生まれ育ったレディングって小さな街 (ロンドンの近く) にレコード屋があって、そこにライブラリーのコーナーがあったんだ。置いてあるアルバムを自由に聴かせてもらうことができる。で、アフリカ音楽のアルバムが2〜3枚あって、最初は何が何だか判らなかった。巨大な野菜から作ったみたいなわけの判らない楽器を演奏してるジャケットでね。だけど、その音楽、特にボーカル、それからドラミングに取り憑かれてしまったんだ。「これはいいなぁ。自分が曲を作る時には使ってみよう」、そう思った。ただ、実際には特に何もしなかったけどね。
-
「Tubular Bells」の最初のデモには、赤ちゃん用の鈴なんかも入ってる。ベビーベッドからちょっと借りてきた。それから、電気掃除機の音なんかも使った。電源を入れた時の音が、何ともハーモニーを感じさせてくれたんだ。
こんなこと、まだ誰もやってないだろうな、って思ったりしましたか。
- いや、全然。どれも自分には自然な音だっただけだ。
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