マイク・オールドフィールド、「Tubular Bells」以外を語る (1/14)
「Innerviews」サイトの2013年の記事より。2012年のロンドン・オリンピックの開会式に出演した話から始まっている。スペインのマヨルカ島でぐーたら過ごしてた師匠のケヴィン・エアーズを見習ってか (笑)、今はバハマのナッソーで悠々自適なのだそうだ。
→ Innerviews | Mike Oldfield - The Messenger
オリンピックの開会式はどうでしたか。
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ヒラリー卿 (イギリス人の登山家) がエベレストの初登頂に成功した時みたいな気分だった。自分のやってきたことが認められたんだってね。素晴らしかった。イギリス人って、だいたいいつも落ち込んでるよね。雨が降ってばかりのせいだろうけど (笑)。その前の週までは雨で寒かったのが、うまく晴れてきて、みんな興奮してた。開会式の間、雨はほんの少し降っただけで済んだ。自分の母国がロンドンで生き生きしているのを見るのは、本当に嬉しかった。
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もう一つの理由は、ステージで息子のルークと共演できたことだ。悲惨なことになるんじゃないかって誰もが気にしてたと思う。それが大成功に終わって、鼻が高くならずにいられるはずがない。
その後は新しいアルバムを作って目立つこともできたと思いますが、なぜ「Tubular Beats」(2013年) だったんでしょうか。
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あのアルバム作りは何年も前から始めていて、オリンピックとは関係ない。新しく契約したレコード会社の重役が、近くの島に住んでるからって、DJのトルステン・ステンツェルを紹介してくれた。リミックスはトルステンのアイデアだ。前に自分で昔のアルバムを5.1チャンネルにリミックスしたから、マルチトラックがあるはずだと思って、テープを倉庫から掘り出したら、40年以上も保存が悪いままで、一部はオーブンで焼いたりしないといけなかった (え?)。そうやってディジタルに変換したんだ。
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トルステンと私はネット上で、元のアルバムからサンプルしながら、「Tubular Beats」を作っていった。今は驚くべき時代だね。キーを1つ押すだけで、信じられない音が出来てくる。トルステンは、DJやリミックス屋が使う特別なソフトウェア・ツールをあれこれ教えてくれた。自分が次のロック・アルバム (2014年の「Man on the Rocks」のこと) を作った時には、そういうのは何も使わなかったけどね。
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「Tubular Beats」は、私がちょっと作業しては送信し、トルステンがちょっと作業しては送信し、最後にはトルステンが全体をまとめ上げた。私は別のアルバムのために曲を作ったり、昔のアルバムのリミックスを仕上げたりしてたんでね。だから、あれはトルステンのアルバムだ。オリンピックよりずいぶん前に出来上がってた。
ロンドン・オリンピックの開会式の映像は、こちら。
→ YouTube | Mike Oldfield - Olympic Games Opening Ceremony London 2012
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