スティーヴ・リリーホワイト、ザ・ローリング・ストーンズ「Dirty Work」を語る (自ら代表作を語る (5/8))
「MusicRadar」の2011年2月の記事より。プロデューサー、スティーヴ・リリーホワイトが代表的な仕事として16枚のアルバムを選んだ内から抜粋。第5回はザ・ローリング・ストーンズ「Dirty Work」(1986年)。
→ Production Legend Steve Lillywhite on 16 Career Defining Records
- 真の男ならザ・ローリング・ストーンズを断るなんてありえない。そう思ってた。だが、早々から、こりゃ昔のストーンズのアルバムとは違うものになるだろう、変てこで難しいアルバムになりそうだって判ってきた。ミックは初のソロ・アルバム「She's the Boss」を出したばかりで、それをキースたちは「くそディスコ」なアルバムって呼んでた。キースにとっては仁義がすべてで、ミックがバンドと別に活動するのは、女房に浮気された気分だったんだよ。すごくいらだってた。二人は同じ部屋にいることさえほとんどなかったね。おそろしい緊張感だった。俺の役目は、ヘンリー・キッシンジャー (1970年代に米中、米ソの和平交渉に奔走した政治家) になって、和平を保つことだったんだ。アルバムには良い曲も入ってる。「Harlem Shuffle」はカッコいいし、「One Hit to the Body」もそこそこカッコいい。けれども、それまでのストーンズのアルバムの内で最悪だ。もっとも、それより後のアルバムはさらにダメになる一方だったんで、そんなには気にしてない (笑)。
次回はザ・ラーズの予定。
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