エディ・ジョブスン、過去30年を語る (4/16)
ジェスロ・タルにゲスト参加したり、ちょっとソロアルバムを作ったりした後、いわゆる「音楽界」の表面からはほとんど消えてしまって、数年前にUKZで蘇ってきたエディ・ジョブスンが、ある意味で最も充実していたその30年間について語っている。「Dutch Progressive Rock Page」ってオランダのサイトの2011年8月の記事より。ジョブスンのインタビューはすごく貴重だが、そうとう長い。
→ Dutch Progressive Rock Page - Interview with Eddie Jobson (UKZ / U-Z)
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TV番組「刑事ナッシュ・ブリッジス (Nash Bridges)」(ドン・ジョンソン主演/制作総指揮) は、一番キツい仕事の一つだった。締切の重圧が半端じゃない。TV向け音楽のトップの作曲家はだいたい、手持ちのパターンを使い回して、手早く仕事する。だが、私は毎回違った趣向で、毎週新しい挑戦をしようとしたんだ。ドン本人が音楽の方向性を決めてて、ストリングス禁止、ハーモニーもメロディも要らない、もっと粋なやつ、もっとワールドミュージックなやつ、って考えてたんだ。それで私が選ばれた訳で、ブルガリアン・ボイスなんかも使って、気に入ってもらえたよ。
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音楽はアフリカのリズムを基本にして、それに色んな怪しげな民族楽器を載せた。他のTV番組にはない、とんがったサウンドが作れたと思う。だが、今週はサーフィン風、翌週はバグパイプ、みたいに週ごとにエピソードに合わせて趣向を変えるのは、本当に大変だった。おまけに、ドンはいつも遅れるんだ。そのせいで、45分間の音楽をオンエアまで3日間で作らないといけないなんてこともあった。
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最初の1〜2年は楽しかった。だが、正直に言って、ちょっと燃え尽きた。他のスタッフがダラダラしてるせいで、オンエアの前日に映像を差し替える羽目になったりする。締切の重圧は、本来はなくてもいいはずのものなんだ。いい加減、うんざりしてきたんだよ。「ハリウッド」の仕事は楽じゃないし、はっきり言って、好きな種類の人たちじゃない。だが、創造性ってことでは、やり甲斐と見返りがある。なので、家にこもって音楽を作るようになったんだ。
あれ、よく調べると、ジョブスン本人もドラマに出演してるのか? 自分ではドラマを観てないけど、下のWikipediaに「ルーベン・バンクス」役って書いてある。
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