ケン・スコット、ザ・ビートルズ「White Album」を語る (2/2)
10月5日はザ・ビートルズが最初のシングル「Love Me Do」をリリースしてから、ちょうど50周年なのだそうだ。1960年代から1970年代にかけて活躍していたエンジニア/プロデューサーのケン・スコットが、彼らの「White Album」について語っている記事があったので、紹介することにした。「Guitar World」誌サイトの2012年4月の記事より。
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「While My Guitar Gently Weeps」のことは、いつも聞かれるけど、よく憶えてないんだ。「Helter Skelter」の録音は、特別なことはしてない。普段よりずっと大きな音で演奏しただけだ。
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「Yer Blues」は違う。ジョージのヴォーカルで「Not Guilty」を録音して、結局はアルバムには収録されなかったけれども (後にジョージ・ハリスンのソロアルバム「George Harrison」に収録された)、ジョージのヴォーカルがなかなかうまくいかなくてね。それで色んなことを試してみてたんだ。ある時、ジョンと立ってた時に、スタジオの外にある小さな空き部屋を指して、冗談で「あそこで録音するのもいいかもな」って言ったんだ。そうしたら、その少し後で「Yer Blues」って新しい曲を始める時になって、ジョンが「あの小部屋で録音しよう」って言い出してさ。とんでもなく小さい部屋にメンバーを押し込めないといけなくなった。誰かがギターを振り回したら必ず誰かの頭に当たる、みたいな。だけど、あのドラムスの音はアルバムの中でベストだと思う。ジョンはヴォーカルを一発録りしたんじゃなかったかな。ただ、後半がうまく行かなかったんだけど、録り直すとサウンドがちょっと変わってしまう。そうしたら、ジョンが「どうせサウンドが変わるなら、とことん変えちまおう」って言い出した。なので後半のヴォーカルは、全く違うサウンドなんだ。
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「Magical Mystery Tour」と「White Album」はモノラル盤とステレオ盤の両方を作った。両方でミックスがかなり違うのは、こういう理由だ。「White Album」までは、彼らはステレオ録音にはまるで興味を示さなかった。だが、ステレオの時代になってきて、ポールが、じゃ、モノラルとステレオでミックスを変えてみよう、って言い出した。モノラルとステレオとあったらどっちも買う、ってファンレターも届き始めててね。一枚のアルバムで二倍の稼ぎを上げる良い手段だってことになったんだ。
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