デイヴィッド・ボウイ、ベルリン三部作を語る (1/8)
2013/3/30 から 2013/4/6 まで紹介したプロデューサー、トニー・ヴィスコンティの記事と対になってるインタビュー。ボウイ自身が、ベルリン時代の三部作「Low」、「"Heroes"」、「Lodger」について語っている。イギリス「Uncut」誌の2001年3月の記事より前半部分。
→ Uncut Interviews David Bowie and Tony Visconti on Berlin
ベルリンに移った理由
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ロサンゼルスの生活で、もうどうしようもなくダメになっていく感じがしてたんだ。ドラッグに手を出してボロボロになってたし、何か手を打たないといけなかった。ベルリンって街には、何か聖域みたいな感じがあって、ずっと興味を持ってた。誰にも注目されずに動き回れる、世界でも数少ない場所だ。彼らはイギリスのロックシンガーなんかに興味ないんだ。俺は無一文になってて、安く生活できる場所だったし。
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もう十代の頃からずっと、ドイツ表現主義 (20世紀初頭の芸術運動) のあの不安にかられるような感情表現に魅了されてた。画家にも映画作家にもだ。ブリュッケ (画家の一派)、マックス・ラインハルト (舞台演出家)、ブレヒト (劇作家)、映画の「Metropolis (メトロポリス)」や「Caligari (カリガリ博士)」、ベルリンは彼らの本拠地なんだ。雰囲気ではなく出来事で人生を写し出そうとする芸術で、それがまさに自分の進むべき方向だって感じてた。そして、1974年、クラフトワークの「Autobahn」がリリースされて、自分の関心の方向がヨーロッパに揺り戻されたんだ。自分がもっと追求しないといけないのは、この電子楽器の優位性だ、そう確信したんだよ。
ちなみに、1927年のドイツ映画「Metropolis」は、SF映画の古典的傑作。クラフトワークの曲の題名にもなってるし、クイーン「Radio Ga Ga」のビデオに一部が流用されてたり、マドンナ「Express Yourself」のビデオの元ネタになってたりする。
→ YouTube - Metropolis
→ YouTube - Queen / Radio Ga Ga
→ YouTube - Madonna / Express Yourself
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