デイヴィッド・ボウイ、ベルリン三部作を語る (3/8)
2013/3/30 から 2013/4/6 まで紹介したプロデューサー、トニー・ヴィスコンティの記事と対になってるインタビュー。ボウイ自身が、ベルリン時代の三部作「Low」、「"Heroes"」、「Lodger」について語っている。イギリス「Uncut」誌の2001年3月の記事より前半部分。
→ Uncut Interviews David Bowie and Tony Visconti on Berlin
クラフトワークについて (続き)
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俺がクラフトワークに熱狂したのは、彼らがアメリカ音楽のありきたりで詰まらないコード進行から唯一人だけ訣別していたこと、彼らの音楽がヨーロッパの感性を心底から信奉していたことだ。それがすごく重要だった。
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ちなみに、「Low」を作る時に最初に考えていたギタリストは、ノイのミヒャエル・ディンガーだった (ミヒャエル・ローターの間違いでは?)。ノイは熱くて、クラフトワークとは対極にあったバンドだよな。それで、レコーディングを始めた時にフランスから電話したんだけど、極めて慇懃で外交辞令な言いかたで断られた。
ベルリン三部作がパンクへのアンチテーゼだという見かたについて
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俺の脳みそがヨレヨレだったせいか、イギリスのパンクの衝撃がアメリカには届いてなかったせいか、判らないけど、俺が気づいた時には、もう過ぎ去ってた。ベルリンで見たパンク・バンドの内、ほんの幾つかには感心したけど、1969年にとっくにイギー・ポップがやってたことみたいだった。セックス・ピストルズから始まった大騒ぎを身近で体験できなかったのは、ああいう娯楽が当時の俺の鬱な気分を良くするには他の何よりも効いただろうな、ってことでは本当に残念だったけど。
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少なくともジョニー・ロットンとシド・ヴィシャスには、初期の頃、イギーとツアーしてた時に会ったことがある。ジョニーはジム (イギー・ポップのこと。この記事の 8/8 を見て頂きたい) を崇拝してた。シドは、会った時はもうほとんど緊張病 (統合失調症の一種) で、悪い印象しか持ってない。若すぎて、何か助けが要ったんだろう。
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楽曲に関する限りは、「Low」も含む三部作は「Station to Station」のタイトル曲の続編だ。俺のアルバムはどれも、その中の一曲が、後に続くアルバムの前触れになってるんだ。自分自身、びっくりしてる。
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