マイク・オールドフィールド、「Tubular Bells」以外を語る (2/14)
「Innerviews」サイトの2013年の記事より。2012年のロンドン・オリンピックの開会式に出演した話から始まっている。スペインのマヨルカ島でぐーたら過ごしてた師匠のケヴィン・エアーズを見習ってか (笑)、今はバハマのナッソーで悠々自適なのだそうだ。
→ Innerviews | Mike Oldfield - The Messenger
「Tubular Beats」のような形で若いリスナーを掴むのも大切ですか。
- そんなふうに考えたことはないな。ただ音楽を愛していて、誰かがカバーしてくれれば、それが嬉しい、そういうことなんだ。私のFacebookには、私の曲を色んな人がカバーしてくれたのが、全て載せてある。すごいのもあれば、そんなでもないのもある。パクられるのは気にならない。そんな大層な人間じゃないからね。音楽をやる能力はあるし大好きだけど、デスクワークなんかは苦手だ。他のミュージシャンや他のジャンルのことも全く知らない。
過去の作品を一通りリミックスしているのは、何か哲学があるんですか。
-
哲学なんか何もないよ。ただ楽しいからやってる (笑)。もう今は半分引退した身だ。レコード会社が、以前の作品を少しずつ再発売したいって言ってきた。以前のを見直すには、いいやり方だ。音楽の新しいアイデアは持ってるけど、もう昔のような勢いは持てない。30年前には1日に15時間、憑かれたように仕事できたけど、今はせいぜい2時間だ。それでも音楽に関わっていられるのは嬉しいね。
-
リミックス作業はとっても魅力的だ。マルチトラックの録音を聴いてると、アルバムを作ってた当時のことを、昨日のことみたいに思い出す。録音のどの一瞬のこともだ。例えば、「Five Miles Out」のタイトル曲には4つのバージョンがある。リミックスするまで忘れてた。なかなかうまくいかなかったんでね。あの1曲だけのために、3ヶ月以上もかかったんだ。
-
こないだヒッチコックの映画「サイコ」のメイキング映像を見たんだけど、とことん編集した結果だったなんて、ちっとも知らなかった。最初のバージョンは、どうしようもなく不評だったんだそうだ。私の音楽も同じだ。切ったり貼ったりを際限もなく繰り返した挙句に、ようやく形が出来てくる。それも、当時は本当にテープを切ったり貼ったりしてたし。
-
「Five Miles Out」と「Crises」は、私のキャリアの中期ではベストだと思ってる。それからずいぶん経った今、改めてこうやって新しい形で出せてるんだ。
直近の記事
- 2015/7/2 - マイク・オールドフィールド、「Tubular Bells」以外を語る (1/14)
- 2015/6/15 - デイヴィッド・ボウイ+トニー・ヴィスコンティ、2001年のインタビュー (まとめ)
- 2015/6/1 - テリー・ボジオ、2000年のインタビュー (まとめ)
- 2015/5/4 - エドワード・ヴァン・ヘイレン+スティーヴ・ルカサー、1993年のインタビュー (まとめ)
- 2015/5/3 - コージー・パウエル、1996年のインタビュー (まとめ)
- 2015/5/2 - ロバート・フリップ+アンディ・サマーズ、1984年のインタビュー (まとめ)
- 2015/5/1 - リッチー・ブラックモア、1991年のインタビュー (まとめ)
- 2015/2/17 - クリス・カトラー、ヘンリー・カウや即興を語る (1/11)
- 2014/12/23 - キース・ムーン、ザ・フー加入の経緯などを語る (1/8)
- 2014/9/19 - ジョン・ポール・ジョーンズ、ファンの質問に答える (1/4)
人気の記事
- 2023/8/24 - ロバート・フリップ、イーノやボウイやクリムゾンを語る (4/4)
- 2016/9/16 - ジェフ・ベック、キース・ムーンを語る (1/17)
- 2013/9/9 - コージー・パウエル、デビュー当時を語る (自らのキャリアを語る (1/12))
- 2012/6/25 - トッド・ラングレン、「Todd Rundgren's Johnson」を語る (5/6)
- 2012/1/15 - スティーヴ・ヴァイ、ヴィニー・カリウタを語る