マイク・オールドフィールド、「Tubular Bells」以外を語る (3/14)
「Innerviews」サイトの2013年の記事より。2012年のロンドン・オリンピックの開会式に出演した話から始まっている。スペインのマヨルカ島でぐーたら過ごしてた師匠のケヴィン・エアーズを見習ってか (笑)、今はバハマのナッソーで悠々自適なのだそうだ。
→ Innerviews | Mike Oldfield - The Messenger
「Five Miles Out」で共演したピエール・モエルラン (フランスのパーカッショニスト。後期ゴングのリーダー) とモーリス・パート (イギリスのパーカッショニスト) が亡くなって、どう感じていますか。
- いてくれて当り前と思ってた人たちが、いきなりいなくなってしまった。リミックスの作業中、ただ録音を聴いてたんじゃない。ベースやスネアを聴いてると、ピエールやモーリスがそこにいるような感じだった。ただパートごとに聴いてたんじゃない。彼らがやってくれたこと全体を聴いてたんだ。あの時のこと、それこそ録音ボタンを押して彼らと演奏し始めた時のことなんかを思い出してた。モーリスは本当に素晴らしいドラマーだった。あのドラムやシンバルがどれだけ強烈か、あの頃はまだ判ってなかった。今になってようやくちゃんと判ってきたんだよ。
ケヴィン・エアーズも亡くなりましたが、どう感じていますか。
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ケヴィンは、十代の頃、私の人生のすごく大きな一部だった。まだ16歳だった時に彼のバンドに参加したんだけど、あんなカリスマな人に出会ったのは生まれて初めてだった。私はまだ学校に通ってて、小さなクラブとかで演奏してただけだったのが、いきなり背の高い強烈なカリスマそのもの、ジミ・ヘンドリックスとツアーしてた人が現れたわけだ。
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ケヴィンと彼の生きかたを見て、もう畏怖というか畏敬というか、打ちのめされた。うまく言うのは難しいけど、地中海的っていうか、お気楽なっていうか、人生は楽しまなきゃっていうか。まぁ、音楽ビジネスで成功するには向いてなかったけど。成功するには、押しの強さや、抜け目なさや、世渡りの上手さが要るからね。でないと、こっちをただ利用しようってだけの人間とか、もっとアルバムを売れよってしか言わずに、こっちの言うことには全く耳を貸さない人間とか、そんなのばかり、山ほどたかってくる。
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ケヴィンは愛すべき人物だった。とても優しくて、その人生観で私を守ってくれた。
ペッカ・ポーヨラ (フィンランドのミュージシャン。姉のサリーも加わって3人でアルバムを出している) については、どうですか。やはりこないだ亡くなりましたが。
- 正直に言って、最初のミーティングのことしか憶えてないんだよ。マナー・スタジオで待ってたら、ウォッカのボトルとフィンランドの黒パンを持って現れた。とにかく巨漢でね。まさに北欧系だ。ベースは恐ろしく上手かった。だけど、ひどくよそよそしかったんで、あんまり仲良くはならなかったな。80人でやった最初のツアーで演奏してもらったり、ちょっと一緒に録音したり、彼の曲で幾つか演奏したりした。
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