クリス・スクワイア、イエスの代表的アルバムなどを語る (2/4)
6月に67歳で亡くなったクリス・スクワイアの、生前ほぼ最後のインタビュー。追悼もかねて、「Ultimate Classic Rock」サイトの2013年2月の記事を紹介することにした。イエスは2013年に「The Yes Album」、「Close to the Edge」、「Going for the One」3枚の完全再現ライブ・ツアーってのをやっていて、その関係の話。
「The Yes Album」からスティーヴ・ハウが加わって、曲作りはどう変わりましたか。
- それが「The Yes Album」の、もう一つ重要な点だ。それまではジョンと自分で曲を書いてたのが、彼が加わってレベルが上がった。新しい人が新しいアイデアを持ち込む。ある意味、イエスの歴史で常に起きてきたことだ。新しいメンバーの加入で、演奏もアプローチも新しくなる。
あなただけがずっとイエスのメンバーであり続けてますよね。
- そうしたかったってより、そうなっただけだ。何人もが、独立するって言って、抜けていった。リック・ウェイクマンなんか、3回か4回、抜けては戻ってくるを繰り返してただろ。ジョン・アンダーソンだってそうだ。一方で、アラン・ホワイトは1972年からずっと仲間だ。40年間ずっと「新しいドラマー」でい続けてくれてる (笑)。
レコード会社は1970年代は自由にやらせてくれたんですか。
- そういう時代で、運が良かったんだと思う。レコード会社はミュージシャンに寛容だったし、プロデューサーにそんなに頼らなくてもよかった。少なくとも自分たちはね。アーメット・アーティガン (アトランティックの社長) が個人的に自分たちと契約してくれて、自分たちのビジョンや実験精神を気に入ってくれてた。自分たちにああしろ、こうしろって言ってくる人は、会社にはいなかったんだ。ロジャー・ディーンのアートワークにしろ、3枚組で分厚いジャケットのライブ・アルバム「Yessongs」にしろ、全てアーメットがサポートしてくれた。
ロジャー・ディーンとこんなに深い縁になると、最初から思ってましたか。
- 「Fragile」の時からだね。彼が何枚かの絵を持ってアトランティックを訪ねてきて、気に入ってくれるバンドがあるかどうか聞いたんだ。そうしたら、重役のフィル・カーソンが、今ちょうどレコーディング中のバンドがいるから見せてみては、って言ったんで、ロジャーはスタジオの自分たちのところにやってきた。それで、何枚か見せてくれた内から、「Fragile」のジャケットになった絵を選んだんだよ。アルバムは大成功だったんで、その後のアルバム・ジャケットも彼に頼むことになったのは、自然な成り行きだった。
「Close to the Edge」のアルバムをLPの時間制限の中にはめ込むのに、問題はありませんでしたか。
- いや、片面に1曲、もう片面に2曲で、何の問題もなかった。8トラック・テープ (大昔のメディア。1980年頃までカーオーディオでよく使われていた) にはめ込むほうが、よっぽど変だったよ。「Tales of Topographic Oceans」なんか、曲の途中でフェードアウトして、次のトラックでフェードインしてくるんだ。当時はLPを中心に考えてて、片面20分プラスマイナス1〜2分が標準だった。
お伺いしたかったのは、「Close to the Edge」の曲を片面に収めるために、短く編集したりしないといけなかったでしょうか、ってことだったんですが。
- いや、録音する前にスタジオで最初から最後まで演奏して、時間とか判ってたから、何の編集もせずに済んだ。
ふと思い出したが、LP片面に収まらなかった曲っていうと、Emerson, Lake and Palmerの「Karn Evil 9」かな。
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