ギャヴィン・ハリスン、トリプル・ドラムスを語る (6/6)
キング・クリムゾンのモントリオール公演に先立って、「Montreal Gazette」紙に載った2015年9月の記事より。二部構成になっていて、前半がトニー・レヴィン、後半がギャヴィン・ハリスン。前半の紹介はまたいずれ。地元の一般紙にこんなのが載っちゃうんだから、羨ましい。
→ Montreal Gazette | King Crimson's Tony Levin and Gavin Harrison: the Complete Conversation
キング・クリムゾンにしばらく在籍していて、ファンになったりしなかったんですか。
- このバンドで気に入ってるのは、常に新しくあろうとする心意気だ。ロバートがそうだからだけど、そのためには何でもありなんだ。例えば夜中に、これ以上はないってくらいクレージーなアイデアを思いついて、目が覚めたとしても、クリムゾンなら試すことができる。当たり前だったり詰まらないアイデアはお呼びじゃない。変てこなアイデアほど歓迎なんだ。思いつく限りあらゆることが何でも、どこかで使ってもらえる、そんなバンドは他にないと思う。
2008年のバンドが中途半端に終わってしまって、驚きませんでしたか。
- そうなんだ。6週間くらいリハーサルして、コンサートを11回やっただけだ。翌年もやるつもりだったと思うんだけど、だめになってしまった。
いずれ活動を再開するだろうって確信はありましたか。
- あった。当時はポーキュパイン・ツリーの活動の合間に参加してて、2009年も最初の8か9ヶ月くらい空いてたんで、そこでなら参加できるだろうって思ってたんだ。そういう意味でね。だが、終わってしまったので、(活動の重複が) 何も問題にならなくなった。
「Scarcity of Miracles」が出た時、これがキング・クリムゾンにつながるだろうと思いましたか。
- いや、全然。ただの小さなプロジェクトってしか思わなかった。たしか2013年の9月にロバートが言ってくるまで、クリムゾンの話は全く出なかった。電話を受けて、驚いたよ。彼は訴訟にかかり切りで、引退したも同然って思ってたからね。ギタリストとしては何も活動してなかったから、クリムゾンの話もない。だが、その問題が解決して、「だったら、キング・クリムゾンを新しいアイデアで新しい出発点として、再結成しよう」、そう考えたんじゃないかな。
たしかに、以前のキング・クリムゾンとは全く違いますね。そうでなければ、再結成の意味がなかったと思います。
- 昔の曲をやるけれども、決してトリビュート・バンドじゃない。昔の演奏を忠実に再現するなんてことはしない。古い曲の新しいテイクをやるんだ。
ポーキュパイン・ツリーのほうはどうなるのか、聞いていいですか。スティーヴン・ ウィルソン (ポーキュパイン・ツリーのリーダー) に何ヶ月か前にインタビューしたら、バンドは終わるかもみたいな気配だったんですが。
- あはは。まだ解散はしてないよ。今はそれしか言えない。いつかは戻ってくると思う。いつになるかは判らないけど。今は何の計画もないんだ。スティーヴンは自分のソロ活動で忙しいし、私はクリムゾンで忙しいし、他のメンバーもそれぞれ忙しい。だから、近い内に一緒に何かするってのは無理だろうね。
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