トニー・レヴィン、新生キング・クリムゾンを語る (6/11)
キング・クリムゾンのモントリオール公演に先立って、「Montreal Gazette」紙に載った2015年9月の記事より、二部構成になっている前半。なお、後半のギャヴィン・ハリスンは、2015/12/15 から紹介した。
→ Montreal Gazette | King Crimson's Tony Levin and Gavin Harrison: the Complete Conversation
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ベーシストとしては、どの曲もベースラインの格調の高さに注目せずにはいられなかった。音の並び (原文は note) が、時にはサウンドも、格別なんだ。それを失くしたくないと思った。だが同時に、自分自身の音楽性も入れ込みたい気持ちを抑えられなかった。すごくいい挑戦だったよ。今までやったことがなかったし。過去の素晴らしいベーシスト、ジョン・ウェットンの曲が多かったけど、彼らの精神に忠実に、その格別な音を保ちながら、かつ自分自身の曲にするにはどうしたらいいか。ピックは使わないことにしたり (グレッグ・レイクはいつも、ウェットンは時々、ピックを使う)、スティックを持ってきて全く別のサウンドにしてしまうとか。どの曲も、どう弾くか決めつけずに、挑んでいったんだ。曲との格闘技だ。いや、敵対はしてないから、いい喩えじゃないな (笑)。そして、原曲の精神を保ったまま新しいことができれば、嬉しくなる。それが勝利だ。
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..... すまない。つい熱くなってしまったよ。バンドのこういう側面を話すことはあまりないもんでね。
いえいえ、すっかり聞き入ってしまいました。ですが、それだけ長くバンドにいても、それでもあなたが注目するような曲をロバートが持ってきたのは、驚きだったのではないですか。
- ほとんどの曲は聞くのも初めてだった。だが、ロバートに驚かされることには慣れてるよ。メールしてきて今回の再結成に呼んでくれたのも驚いたし、メンバーにも驚いたし、サックスがいるのも驚いたし、ドラマー3人だってのも、ものすごく驚いたし (笑)。ロバートは人を驚かせるのが標準なんだ。
そういや、「Starless」のベースラインは、ジョン・ウェットンじゃなくて、ビル・ブルフォードが書いたんだそうだ。
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