トニー・レヴィン、新生キング・クリムゾンを語る (10/11)
キング・クリムゾンのモントリオール公演に先立って、「Montreal Gazette」紙に載った2015年9月の記事より、二部構成になっている前半。なお、後半のギャヴィン・ハリスンは、2015/12/15 から紹介した。
→ Montreal Gazette | King Crimson's Tony Levin and Gavin Harrison: the Complete Conversation
昔のクリムゾンの曲をやっていると、バンドの古くからの歴史に参加してる気分ですか。それとも、常に前進してる感じですか。
-
後者だな。古くさいんじゃなくて、重い歴史だ。あらゆる面でね。ロバートはそれを感じてるんじゃないかな。クリムゾンを新しくする度に、そして今回も、重みを感じてると思う。私は違う。そういうのに免疫ができてるっていうか、長年かけて、そういう気持ちを避けるすべを身につけてきたっていうか。
-
ちゃんと理詰めで考えたことはないが、どう言えばいいかな、どのベースラインも自分のものみたいに感じてるんだ。元は別の人が作ったのを下地にしてて、それはすごく尊敬してるけど。つまり、私の歴史じゃないし、歴史はどうでもいい。ただライブで演奏して、誰かが「今夜はジョン・ウェットンの再来みたいだった」って言ってくれたら、もう最高のほめ言葉だよ (笑)。
曲を自分のものにするのでなければ、ただのトリビュート・バンドだってことでしょうかね。
- そうそう、その通り。ただ、人それぞれだ。私は自分のアプローチがそれほど大したものだとは思ってない。だが、自分のアプローチなんだ。ベースラインが自分のだって思えないようじゃ、嬉しくない。だが、オリジナルほどよくないなって感じたら、自分にこだわるのはすぐにやめる。オリジナルの音楽性には本当に感服してるんだ。
クリムゾンの曲の、ただのカバーじゃない新しい解釈ってぇと、イアン・ウォーレスのザ・クリムゾン・ジャズ・トリオなんかも好きなんだけどな。特に Vol.1 が面白い。ただ、Amazon じゃけっこうな値がついてたりする。
→ Amazon | The Crimson Jazz Trio - King Crimson Songbook 1
→ Amazon | The Crimson Jazz Trio - King Crimson Songbook 2
→ YouTube | Crimson Jazz Trio - Wilmington, DE, 2006-06-05, set 1
→ YouTube | Crimson Jazz Trio - Wilmington, DE, 2006-06-05, set 2
直近の記事
- 2016/7/22 - ジョン・ハイズマン、アラン・ホールズワースとオリー・ハルソールを語る
- 2016/7/21 - トニー・レヴィン、新生キング・クリムゾンを語る (1/11)
- 2016/2/27 - ディープ・パープルのメンバー、「Shades of Deep Purple」を語る (代表作を語る (1/9))
- 2016/2/26 - グリン・ジョンズ、ザ・スモール・フェイセス「Ogdens' Nut Gone Flake」を語る (代表作を語る (1/9))
- 2016/1/26 - トニー・ヴィスコンティ、デイヴィッド・ボウイを語る
- 2015/12/15 - ギャヴィン・ハリスン、トリプル・ドラムスを語る (1/6)
- 2015/12/8 - ロバート・フリップ、キング・クリムゾンの新曲をちょっと語る
- 2015/12/1 - 色んな関係者、ジェフ・ポーカロを語る (1/3)
- 2015/11/20 - クリス・スクワイア、イエスの代表的アルバムなどを語る (1/4)
- 2015/8/10 - ロバート・プラント、最近の心境を語る (1/7)
人気の記事
- 2023/8/24 - ロバート・フリップ、イーノやボウイやクリムゾンを語る (4/4)
- 2016/9/16 - ジェフ・ベック、キース・ムーンを語る (1/17)
- 2013/9/9 - コージー・パウエル、デビュー当時を語る (自らのキャリアを語る (1/12))
- 2012/6/25 - トッド・ラングレン、「Todd Rundgren's Johnson」を語る (5/6)
- 2012/1/15 - スティーヴ・ヴァイ、ヴィニー・カリウタを語る