ジョニー・マー、音楽の趣味などを語る (4/5)
去年、ジョニー・マーは自伝「Set the Boy Free」を出版して、そのプロモーションで色々なインタビューに応じている。その内の一つで、「Esquire」誌サイトの2016年11月の記事より。
→ Esquire | Johnny Marr Is a Fan First and a Musician Second
ギターの話をしましょうか。イギー・アンド・ザ・ストゥージズ、特にジェイムズ・ウィリアムソンが重要だったそうですね。
- 彼らは偉大だよ。イギーとは、知り合いじゃないが、何度か会ってる。頭の回転が速くて、切れ味が鋭い。彼からどれだけでかい影響を受けたか、驚くくらいだ。その頃に俺が書いた曲を聴いて、仲間が「Gimme Danger」みたいだなって言うんで、「Raw Power」を買ったんだ。ジャケットもやばすぎる。
私もそうでした。ボウイと繋がりがあるって聞いて買ったんですが、全然違うじゃないですか。ギザギザだし、狂ってるし、あっけないし、もうぶっとんじゃいました。
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ギザギザって、良い表現だな。「Penetration」なんか、ジェイムズ・ブラウンに匹敵するよ。「I Need Somebody」も素晴らしい。
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初めて聴いたのは、秋だった。レコード屋から夕方5時半か6時くらいに帰ってきて、街灯のオレンジ色の光が、俺の陰鬱な小部屋に窓から差し込んできてた。外を見ると、高層ビルなんか何もないんで、地平線まで見えるのが、せめてもの救いだ。そのオレンジ色の中で、一人ぼっちで、「Raw Power」をかけた。「I Need Somebody」が、もの悲しく、セクシーに、何もかもあきらめた感じで、語りかけてきた。
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それまでの何曲かで、このアルバムはロックによる魂の救済だな、って確信してた。陳腐な言いかただけど、それまでも、そういうのに聞き入っちゃ、むきになって反発してた。だが、その時は違った。あることをこっそり教えてもらったような気がしたんだ。このどうしようもない状況から抜け出すには、自分が良くならないとダメだ、ってね。
その瞬間から、生きかたが変わったってことですか。
- そう、まさに1970年代半ばのマッチョなロックへの反抗だったんだ。
今年もよろしくお願いします。
イギー・ポップを聴くと、ボウイが「パンクなんか、イギーがとっくに1969年にやってた」って言ったのも、よく判る。
→ Amazon | Iggy and the Stooges - Raw Power
→ YouTube | Iggy and the Stooges - I Need Somebody
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