ピーター・ゲイブリエル、「New Blood」などを語る (1/7)
「The Quietus」っていうアート系サイトの2011年9月の記事より。ちょっと古いが、「New Blood」のリリースに合わせて行われたインタビュー。いつになく色々と語っている。
→ The Quietus | An Invasion of Privacy: Peter Gabriel Interviewed
「New Blood」のアイデアは前々から考えてたんですか。それとも、「Scratch My Back」を作ってる内に思いついたんですか。
- 「Scratch My Back」からだよ。ツアーに出たら、どうも曲が足りないことに気づいて、何か足さなきゃなってことになった。それで、(「Scratch My Back」のために) オーケストラと一緒なんだから、自分の曲をやってみてもいいんじゃないか、って考えたんだ。1〜2曲やってみたらいい感じだったんで、特に「Rhythm of the Heat」がね、それで、オリジナルからドラムスを削って、オーケストラ用に編曲したんだよ。アレンジャーのジョン・メトカルフが素晴らしい仕事をしてくれて、かつて聴いたことがないようなものを作り出してくれた。ありがちな「ロックバンド + オーケストラ」にはしたくなくて、ギターもベースもドラムスも取り払って、オーケストラだけで勝負しようと思ったんだ。
「Intruder」や「Red Rain」は、オリジナルからして、かなりドラマティックですよね。よほど注意深く編曲しないと、やたら大仰なだけになってしまうと思いませんでしたか。
- そうなんだ。下手にオーケストラ化すると、ただ仰々しくなる。なので、できるだけそういう最悪のリスクを避けつつ、オーケストラが自然に聞こえるようにうまく展開するには、強い意思が必要だった。ジョンは、ミュージカルのプロデューサーってよりミニマリストとして、本当に良い趣味をしている。
歳を取るにつれて、声の中低音のキメが細かくなってきてるように思いますが、高い声も出せますよね。何か注意してることはあるんですか。
- うまくごまかしてるんだよ。高い声はファルセットを混ぜてる。「Don't Give Up」には特に高い声が要る。だけど、歳を取るにつれて高い声が出せなくなってきたんで、そういう曲はキーを下げてる。下げられるところまで下げてもいい。ジョニー・キャッシュ、ボブ・ディラン、レナード・コーエンみたいに、若い頃より、歳を取った (低い) 声でさらに味が出せてる人たちもいるしね。
→ Amazon | Peter Gabriel - New Blood (2011)
ピーター・ゲイブリエルって、かなり面白い人なんだけど、ここでは意外に取り上げてないな。今、気がついた。
今日のおまけ: 「Solsbury Hill」のライブ映像を1978〜2013年の35年分つなぎ合わせた動画。ゲイブリエル本人そっちのけで、トニー・レヴィンの不変っぷりにとにかく驚愕。
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