ブライアン・イーノ、iOSアプリ「Scape」を語る (2/5)
ブライアン・イーノが昨年秋、アルバム「LUX」と前後してリリースしたiPad/iPhoneアプリ「Scape」について、共同開発者のピーター・チルヴァーズと一緒に語っている。英国「The Guardian」紙サイトの2012年9月の記事より。
→ The Guardian - Brian Eno and Peter Chilvers Talk Scape, iPad Apps and Generative Music
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2007年にiPhoneが登場して、結果じゃなくてやり方を誰でも持てる道が開けた。それで二人で、BloomのデモをFlashで作り始めた。いつかApp Storeが現れるだろうから、そうしたら、皆に提供できるようにね。振り返って見ると、我々二人のバックグラウンドを考えたら、一緒にこういう方向になったのは当然の成り行きだった。
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Scapeのサウンドと背景の多くは、最初は全て作曲したものが、後からアプリ専用になっていった。音楽だったものが、ばらばらの「遺伝子」に分解されて、そして新しい「生き物」に再構成されていくんだ。ランダムで変てこな電子音から始まるんじゃない。互いの結びつきを憶えてるんだよ。
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Scapeを使う時は、ただシーンごとにサウンドを垂れ流すんじゃなくて、しっかり聴いて欲しい。他のアプリを使っていても、裏で実行させ続けることができるように作ってある。(電子書籍の) 読書なんかにも使える。二人それぞれのScapeを聴くこともできるし、「アルバム」として10曲が入ってる。アプリを動くがままにして、そして、ゲームとかではなくて、音楽として聴いて欲しい。
ちなみに、App Storeの解説文には、こんなことが書いてある。
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Scapeは「自ら考える音楽」を作り出す。Bloomの作者、ブライアン・イーノとピーター・チルヴァーズによる、これは新しい形の、音楽の要素に深く関わることのできる「アルバム」だ。要素は知的なやり方で無限に組合せを変えていき、互いに影響しあい、協調してムードを変え、新しい音楽空間を作り出す。
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機械は音楽を作り出せるか。Scapeは我々の回答だ。我々が何年も培ってきたサウンド、プロセス、組合せルール、それらを新しいやり方で活用して、「自ら考える音楽」を作り出すのだ。
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