ヴォルフガング・フリュア、クラフトワークの今年のコンサートを語る (3/4)
クラフトワークのスピンオフ第3弾は、1973年から1987年まで在籍していたヴォルフガング・フリュア。クラフトワークの2013年1月、デュッセルドルフでのコンサートを観て、レビューを公表している。過去の色んなしがらみがあるからかも知れないが、そうとう辛口なので、クラフトワークのファンの方々は、心して読んで頂くのがいいと思う。「The Quietus」サイトの2013年2月の記事で、ドイツ語から翻訳したものとのこと。
→ The Quietus | It's No More Fun to Compute! Kraftwerk Live Review by Wolfgang Fruer
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ラルフが、私より一つ年上なのに、あんなスパイダーマンのコスチュームで世界ツアーをやっているのは、すごく勇敢なことだと思う。着替えのスペアを持っているといいが。
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この一大スペクタクルを観ていると、まるでお別れツアーのようだ。3年前にフローリアンの後を継いだシュテファン・プファフェは、こないだ、名前を憶えきれない人物 (ファルク・グリーフェンハーゲン) にまた入れ替わった。ミュージシャン (原文は音楽労働者) の回転率がどんどん速くなってきている。彼くらいの歳になると、自分の眼鏡にかなう新しい「歯車」を見つけてくるのは、大変かも知れない。
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クラフトワークの物語は、ある意味、ゲーテの「魔法使いの弟子」にちょっと似てきている。自分が以前に作り出したものを、止められなくなってしまっているようだ。「musique」はノンストップだし、フォルクスヴァーゲンは無限に走り続ける。
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この晩、クラフトワークは、効果的な技術を使って、確かに何かをやった。しかし、それだけのことだ。
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コンサートが終わって館内が明るくなったら、ロビーが狂乱状態になった。私に気づいた人たちが、周囲に押し寄せてきたんだ。そして、手当たり次第の物を差し出して、サインをせがんできた。若い女性たちもいる。若い女性のファンなんて、昔はいたか?
なお、現在のクラフトワークのことを、原文では「Kraftwerk Mark III」って呼んでいる。
「魔法使いの弟子」って何?は、こちらの「詩の大意」に書いてある。
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