カール・バルトス、ソロアルバムやクラフトワークなどを語る (1/4)
1975年から1990年までクラフトワークのメンバーだったカール・バルトスが、ソロ・アルバム「Off the Record」のリリースに合わせて、珍しく色んなインタビューに答えている。これは「GQ」誌サイトの2013年3月の記事より。
→ GQ | Karl Bartos Post Kraftwerk Interview
今は曲ごとにダウンロードするのが当り前ですが、アルバムを作るのは時代遅れでしょうか。
- 私はアルバムを作る世代なんだ。色々な見かたで作った色々な章 (曲のこと) を束ねて一冊の本 (アルバムのこと) を作る。そういうのが好きなんだよ。
アルバムのライナーノーツが面白かったですが。
- 文章を書く技術は大学で磨いた。ベルリン芸術大学に招かれて、2004年から5年間、教授をやっていた。大変だったが、学ぶことも沢山あったよ。例えば、学生にはまず最初に「考えを文章にまとめるように」と言う。それで、アルバムを作る時に考えたんだ。「自分も、何をどう考えたのか、文章にしてみよう。自分の発想の素材を公開してみよう」。私はザ・ビートルズの自伝的な本が好きなんだが、その中でポール・マッカートニーが、ボブ・ディランのブラスを使ったステージを観て、翌日「Yellow Submarine」を作った、なんて言ってる。素材と効果、これこそプロの創作だ。
このアルバムは音楽による自伝ですか。
-
そう言ってもいい。ハンブルグのBureau Bってレーベルが、沢山ある古い録音をどうにかしないかって、ずっと言ってきてたんだ。スタジオや別の部屋にあった全部の箱を開けて、テープとかに日付をふってラベル付けしてコンピューターに取り込むだけで、何週間もかかったよ。これは音の日記だなって、すぐに気がついた。
-
音楽はタイムカプセルだ。バーで何か音楽がかかって、懐しい気分になることがあるだろう。音楽の神秘の一つだよ。
あんまり切れのよくないインタビュアーのようで、「つまらないこと聞かないでくれよ」みたいな気配の返しもあったりするんだけど、全体はなかなか面白い。別のインタビューでも、「歳は幾つだ?」「28ですけど」「私は60だ。君も歳とれば判ってくるよ」なんてやり取りがあったりして、笑ってしまう。
新しいソロアルバムは、こちら。
→ Amazon | Karl Bartos - Off The Record
その中からまず1曲。
→ YouTube | Karl Bartos - Atomium
ちなみに、ベルリン芸術大学はヨーロッパで最大級の芸術系の大学で、そこでバルトスは「Sound Studies - Acoustic Communication」って講座を持ったんだそうだ。
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