スティーヴ・ハケット、ギターを語る (3/7)
「Genesis Revisited II」を出して、こないだ来日したスティーヴ・ハケットだが、これはちょっと古くて、「Guitar International」サイトの2010年11月の記事より。自身の来歴とか使ってるギターとか、色々と語っている。
→ Guitar International | Steve Hackett Interview
色々な音楽スタイルに切り替えるのは大変だと思いますが。
- そうだね。クラシックを演奏するのは (ロックより) 大変だ。間違いない。体調を整えて、もっと集中して、もっと練習しないといけない。それだけのことではあるけど。
ロックはもっと直観的ってことですか。
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それは言えてるな。たしかに、ロックはもっとずっと直観的だ。劣ったスタイルだって意味じゃない。その精神が素晴らしいってことだ。真っ当な良いロックには、良い精神が裏にある。私にはそれで十分なんだ。それを誰かが見事なトーンと絶妙のビブラートで演奏してくれれば、私にはそれで十分なんだ。
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クラシックは独学だ。聴いて面白いって感じたことは何でも、弾けるようになるまで、とことん頑張る。自分のやり方を考え出したりする。とっても大変だし、演奏家としての力量も必要だけど、うまく出来た時には、無限の喜びが得られる。
良い音が全て、そういうことでしょうか。
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その通りだね。優しく演奏すれば、ため息をつかせられるし、ものすごく美しくなるし、ものすごく安らかになるし、詩的になる。アコースティック・ギターは作曲に使うにも良い楽器だと思う。エレクトリック・ギターはもっと衝動的な楽器だ。どっちが良くてどっちが悪いってことはない。赤は緑より美しいなんてことは言えないだろう。
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アコースティックな音楽とエレクトリックな音楽も同じだよ。ある時には、「アコースティックな音楽が世界で一番素晴らしい」、感動で涙をこぼしながら、そう思うこともある。ある時には、ロックを聴いてエネルギーが充満して、「音楽に他に何が要る?」、そう思うこともある。
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まぁ、クラシック音楽のほうが、広まってるし、想像力を刺激するし、懐古的だし、癒し系だ。一方で、エレクトリックな音楽は、みんなジャンプして、叫んで、歌って、はしゃぎ回って、女の子にキスして、もう何でもありだ (笑)。
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