ロバート・フリップ、アンディ・サマーズと語る (13/16)
1984年、フリップとサマーズがアルバム「Bewitched」をリリースした時のラジオ番組を、ファンが録音してて、後から口述筆記 (テープ起こし) したものだそうだ。普通のインタビュー記事と違って、後から言葉を整理・編集したりしてないので、ある意味 (笑)、生々しい。すごくリラックスした雰囲気。
→ Elephant Talk | Interview with Robert Fripp and Andy Summers on WHFS 99.1 in Annapolis/Baltimore
そういえば、「The Secret Policeman's Other Ball」(1981年のチャリティ・コンサート) でスティングが「Roxanne」をボサノバ調で歌いましたけど、元はあんなだったってことですか。
- サマーズ:そうだよ。ずいぶん初期の頃だな。たしか、ゲイがやってる美容室の地下で真冬にリハーサルしてて、やたら寒くてじめじめしててカビ臭かったのを憶えてる。ちなみに、そのゲイがスチュワートに惚れてたのも憶えてる。それはさておき、そこで「Roxanne」をやってたんだけど、スティングは一節しか作ってきてなくて、我々は演奏を繰り返してた。スティングは必ず否定するけど、あのベースラインはスチュワートがスティングに教えたんだ。あの頃、スチュワートはスティングよりもっとレゲエに入れ込んでたんでね。別にスティングをけなしてるんじゃないよ。彼自身、素晴らしいミュージシャンだ。
いえいえいえ、けなすとか、そういうのではなくて、バンドの中で咀嚼したりしますかってことで。
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サマーズ:バンドでやるってのは、そういうことだと思う。何かしら優れたバンドには、そういうのが山ほどある。ベストなものってのは、才能はなきゃいけないけど、個性のぶつかり合いから生まれてくるんだ。
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フリップ:バンドが活動していくには、目的を共有してないといけない。そうでないと、ただ力学があるだけになってしまう。キング・クリムゾンの最初のドラマーだったマイク・ジャイルズがいつも言ってたよ。バンドをまとめるには、3つのものがある。メンバー間の付き合い、金、音楽の質、この内のどれか2つが必要だってね。
運が良かれ悪しかれ、ですね。
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フリップ:そうなんだ。目的を共有してるバンドは、どんな困難も乗り越えられる。もしも目的にずれがあると、どんな小さな問題も手に負えなくなってしまう。
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サマーズ:まさにそれが真実だ。それ以上の言いかたはできないな。
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フリップ:例えばだ。白ワインが冷えてないと、プラスチックのコップじゃ飲めないだろ (んー、意味不明。どういう例えなんだろ)。それが重大な問題になってしまうんだ。例えば、バンドの中で君の目的は、バンドとしての心を持ちたい、だったとする。だけど、別のメンバーの興味は、車が欲しい、かも知れない。そうすると、いつかは問題が起きる。共通の目的を持ってないからだ。
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