トニー・レヴィン、新生キング・クリムゾンを語る (3/11)
キング・クリムゾンのモントリオール公演に先立って、「Montreal Gazette」紙に載った2015年9月の記事より、二部構成になっている前半。なお、後半のギャヴィン・ハリスンは、2015/12/15 から紹介した。
→ Montreal Gazette | King Crimson's Tony Levin and Gavin Harrison: the Complete Conversation
逆に、ドラマー3人に張り合うために無理やり頑張らないと、って考えたのかと思ってましたが。
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とんでもない。実際のところは、リハーサルを延々とやってる内に、ベストな音に自然に落ち着いてきたんだ。こうしようってプランがあったわけじゃない。あったとしても、捨てるしかない。それなりに経験は積んできてても、ドラマー3人とやった経験はないんだから (笑)。なので、どうすればいいか、まるで判らなかった。
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リハーサルの時間が十分にあったのは有難かったね。あれこれ色んなことを試せた。色んなベースギター、色んな弦、色んなアンプ、しまいには、クリムゾンで1980年代に弾いたっきりだったビンテージもののベースギターまで発掘してきた (笑)。1990年代にやってた曲には合わなかったんで、放置してたんだ。今はほとんどそのベースギターでやってる。
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そんなふうで、クリエイティブな作業だった。脳じゃなくて耳で作って行く。楽しかったよ。うまく行くと、いつも楽しいよね。さんざん頑張ってもうまくいかないと、ちっとも楽しくない。
「楽しい (fun)」ってのは良い表現ですね。キング・クリムゾンのファンが「楽しい」バンドと思ってるかどうか、判りませんが。
- そうだね。「楽しい」って言葉とキング・クリムゾンの名前が並ぶことはないに等しい。だが、今のバンドにとっても、たぶんファンにとっても、「楽しい努力」って言っていいんじゃないかな。もちろん挑戦的でもあるし、真面目でもある。自分たちは、クラシック・コンサートみたいに、スーツで正装してるし。だが、音楽的には、楽しいんだ。それはどの観客にも伝わると思う。
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