ドニー・マッカスリン、デイヴィッド・ボウイ「★」を語る (8/10)
デイヴィッド・ボウイの最後のアルバムでバックを務めたドニー・マッカスリンが、アルバム作りについて語っている。2015年10月31日のインタビューだそうで、「Uncut」誌2016年1月号に掲載されたもの。
→ Uncut | David Bowie: the Making of ★
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デイヴィッドが普段からどれだけ音楽や文学をチェックしてるか、すごく大きな刺激を受けた。新しいものを常に探し求めてる。私たちのバンドは即興演奏とエレクトロニカの融合だが、デイヴィッドは特にそこに惹きつけられたらしい。
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最初にレコーディングした一曲の「Somewhere」は (この曲はどこへ行った?)、ボーズ・オブ・カナダ (Boards of Canada) の「Alpha and Omega」(マッカスリンが自身のアルバム「Casting for Gravity」でカバーしている) みたいにやってくれって言われた。どれだけ情報を仕入れてるのか、びっくりしたよ。カリフォルニア出身のデス・グリップス (Death Grips) の話もした。色んなサックス奏者の話も沢山した。だが、自分ではサックスは吹かなかった。吹けば素敵だったのにな。「'Tis a Pity」と「The Hunger」って呼んでた曲 (結局「Lazarus」になった) のデモでは自分で吹いてたのに。
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「Blackstar」とミュージカル「Lazarus」の関係については、何も言ってなかった。妙なことに、「Lazarus」の音楽ディレクターの話は出た。「ヘンリー・ヘイを知ってる? 私の別プロジェクトをやってくれてるんだ」。バンドでジェイソンの代わりをしてくれたことがあって、私たちもよく知ってる。だが、その別プロジェクトが何かは判らなかったし、彼もそれ以上は話さなかった。
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「Wistful」って曲があって、アルバムには入らないはずだけど (この曲もどこへ行った?)、1月にレコーディングした時には、デモではピアノとボーカルを別の人に手伝ってもらってた。アルペジオの美しい曲だったが、結局、どうもしっくり来なかったようだ。デイヴィッドは3月に別のデモを送ってきた。やはりピアノとボーカルを手伝ってもらってたが、ボーカルは劇場で歌ってるみたいだった。「ミュージカルみたいだな」って思ったよ。見るがいい。まさにだ。デモのピアノはヘンリー・ヘイだったんだ。
おまけというか、2006年、デイヴィッド・ギルモア (ピンク・フロイド) のソロ・コンサートにゲスト出演したボウイ。オフィシャルな映像で観られるボウイのステージは、これが最後になった。
→ YouTube | David Gilmour & David Bowie - Arnold Lane
→ YouTube | David Gilmour & David Bowie - Comfortably Numb
ついでに、楽屋とリハーサルの風景。
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