ロバート・モーグ、シンセサイザーを語る (10/10)
シンセサイザーの父、ロバート (ボブ)・モーグが、自らの半生などを語っている。Red Bull Music Academyの2003年の公開インタビューより。なお、本人は2005年に亡くなった。
→ Red Bull Music Academy | Bob Moog
(聴衆のスタインスキ) 楽器のデザイナーとして、新しいデバイスとか、新しいトレンドとか、電子楽器のデザインの動向とか、何か興味をそそられるものは最近あったりしますか。
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少なくともディジタルの世界では、もはや作れない音はない。面白いのはコントロール・デバイスのほうだね。NovationのMIDIコントローラーなんかも、コンピューターの音源ソフトウェアと同じくらいか、それ以上に面白い。
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スタジオでの制作作業は本当に素晴らしく、今やCDに収録できるものに限界はない。だが、それは歴史の中では、全く新しいことなんだ。100年前、またはもっと最近まで、音楽ってのは皆で集まって作ったり楽しんだりするものだった。つまり、音楽はライブでしか存在しなかった。そして、知り合いどうしの間で一緒に楽しむものだった。
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音楽のそういう側面が、将来また広まって盛り上がっていくといいと思ってる。別に音楽の録音を非難してるわけじゃない。だが、音楽を独りで聴く傾向がどんどん強まってくると、実際、そうなりつつあるわけだけど、人間として非常に大切なものを失っていくような気がしてならない。皆で実際に集まって、その場で一緒に何かを楽しめる能力ってのをね。
最後、いい言葉で締めくくってくれてる。
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