エディ・ジョブスン、フランク・ザッパを語る (1/3)
なぜか英国サセックス大学のウェブにある記事で、たぶん学生個人のページなので、いつか消されてしまうかも。元は韓国「Art Rock Magazine」の記事だそうで (なぜ英語?)、1995年10月のインタビューとのこと。今回からしばらくはザッパの話。
→ Exclusive Interview with: Eddie "Genius" Jobson
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フランクはミュージシャンとしてもユニーク、ギタリストとしてもユニーク、作曲家としてもユニーク、ユーモアもユニーク、全てがユニークだ。まさに唯一無二の人物だね。話しかた、話す中身、使う言葉、独特のユーモア、全て彼独自の世界なんだ。彼が作り出すものは、何であれ、まぎれもなくフランク・ザッパそのものだ。サウンドもアルバム・ジャケットもだ。驚異的だよ。
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私はイギリス北部で育って、ロンドンすら異郷の地だった (笑)。アメリカは未知の神秘の国、ザッパの世界はアメリカの中でもさらに謎の土地だ。私にとっては、何から何までことごとく異質だった。特に、あれだけ素晴らしいミュージシャンたちが、同時にあれだけハチャメチャでいられるってのが、もう衝撃だった。それまで、私の周囲で上手な人たちは、真面目で控えめで古典的なタイプばかりだったんで、上手さとハチャメチャさとが結びつくなんて思いもよらなかったんだ。そういう先入観を、フランクは叩き壊してくれた。
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最初に聴いたのはライブ・アルバムで、これがまた衝撃的だった。18禁の歌まであるし、突拍子もないのもあるし、そういう曲で優れたミュージシャンたちが絶妙な演奏を繰り広げる。フランク・ザッパって存在そのものが気になってしょうがなくなった。知りたくてしょうがなくなった。フランクの目を通じてアメリカを知ったって言ってもいい。すごい影響を受けた。
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フランクほど音楽に全てを捧げていた人はいない。毎日12時間とか14時間とか、地下室のスタジオにこもって、作曲したり演奏したりテープを編集したりしてた。テリー・ボジオや私のように彼の音楽を正しく演奏できる人を当てにしてたところもある。ただ、フランクの音楽は時たま感情をそぎ落としてある。彼自身が感情をそぎ落としてるんで (笑)、そのせいも大きいと思う。だけど、そういうちょっと冷たい曲でも何とかやっていけた。
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