ラルフ・ヒュッター、「Tour de France」を語る (クラフトワークのアルバムを語る (10/10))
時たま思い出したように取り上げてるクラフトワークだけど、これはアルバムごとにラルフ・ヒュッターが解説を加えている記事。「Uncut」誌の2009年10月の記事が去年の「Retrospective」ツアーに向けてウェブにアップロードされたものなので、その時に紹介すればよかったかも。全8枚。
→ Uncut | Kraftwerk - Album by Album
「Tour de France」(2003)
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今では (2009年の再リリースでは)、ただ「Tour de France」だ。(2003年のリリース時の)「Tour de France Soundtracks」は、ただ当時の曲を並べただけだった。今は、違う映画の違うサウンドトラックなんだ。「Vitamin」、「Aero Dynamik」、「Titanium」とかね。一方で、これは復活に向けた、いわば訓練みたいな、個人的な経験でもある。
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何か忘れてたことがよみがえってきて、新しい意味や新しい動きを見せるってことがあるだろ。で、自分たちはそれを完成させるために頑張るわけだ。「Tour de France」は、筋書き、メモ、キーワード、歌詞、コンセプトとか、以前から出来上がっていた。1983年に、とりあえずシングルでリリースしたが、その後は消えていた。我々は、ディジタル技術、サンプリング、スタジオのディジタル化のほうに注力してたんだ。
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それが、ツール・ド・フランスの100周年 (2003年のこと) が、アルバムを完成させろっていう合図になった。レースの間、追いかけるヘリコプターや自動車に主催者が乗せてくれて、アルバムのミックスはその最中にやっていた。いったん最終ミックスのために国に戻った後、レースがパリ (最終ゴール) に戻ってきた、ちょうどその時にアルバムのテープを渡したんだ。
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この最後のアルバム (「the last album」と言っている) を作るのに、なんでこんなに長い時間がかかったのかって時々言われる。だが、「Autobahn」は、作るのに28年かかったんだ (リリース当時、28歳だった)。クラフトワーク以前とクラフトワークの7年間の結果だって言ってもいい。スタジオに入ってってノブをちょこちょこいじればアルバムの一丁上がり、とか思ってるだろ。1曲だけなら、それで作れるかも知れない。アルバム1枚、ひょっとしたら2枚は、それでいけるかも知れない。だが、一生の仕事はそうじゃない。
今日のおまけ。全く関係ないけど、ムーグ社がキース・エマーソンのEL&P当時のシンセサイザーを復刻 (再発売) したんだそうだ。巨大。富田勲モデルも出すかな。
→ Engadget | Moog、モジュラーシンセサイザー50周年記念にキース・エマーソン モデルを復刻
→ Moog Music | Moog Music Announces the New Emerson Moog Modular System
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