トニー・レヴィン、新生キング・クリムゾンを語る (5/11)
キング・クリムゾンのモントリオール公演に先立って、「Montreal Gazette」紙に載った2015年9月の記事より、二部構成になっている前半。なお、後半のギャヴィン・ハリスンは、2015/12/15 から紹介した。
→ Montreal Gazette | King Crimson's Tony Levin and Gavin Harrison: the Complete Conversation
時代と言えば、何十年もやってなかった昔の曲をやるのは、かなり驚いたんですけど。
- そうそう、そうなんだ。何で知った? セットリスト?
去年のアメリカ・ツアーのです。
- そうか。今年は新しい曲も古い曲も増やした。レパートリーはどんどん多くなってて、その中からベストなのを選ぶ。2晩続けてなら、それぞれ少しずつ違えるし。
40年も前の曲は、「21st Century Schizoid Man」と「Red」と何曲かの他は、もう長い間やってませんでしたよね。なぜ今またやることにしたんですか。
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バンドの歴史はよく判ってないけど、今やってる中には、これまでライブでやったことがない曲や、1ツアーでしかやったことがない曲もあるって聞いてる。全てロバートが決めた。我々メンバーはひたすらリハーサルを重ねてきただけだ。彼が曲を持ってくるんで、我々はそれを見て、例えば、来週月曜にケベックでリハーサルするから、それまでに頑張って憶えてくる。そして、ベストな演奏、ベストな音に持っていく。つまり、大量の曲を練習して、ベストなのを選んで、残りは、捨てるって言い方はよくないな、脇にどけとくんだ。
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ロバートは古い曲を持ってきた最初から、これはたまたまずいぶん昔に書いただけで、新曲だと思ってくれ、って言ってた。彼が言ったのはそれだけで、私は、自分たちはカバーバンドじゃない、昔の曲をそのまま再現するバンドじゃない、そう解釈した。実際、オリジナルは聴いたけど、ほとんど参考にしてない。オリジナルはただの出発点で、我々自身で自由に曲を組み上げていった。
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聴く人によっては「なんだか昔のあの曲によく似てるね」って言うかも知れないし、昔からのマニアは「なんだよ。こことここを変えてるじゃないか」って言うかも知れない。曲の全体を大きく変えることはしなかったが、今の我々自身の音楽に作り変えたんだ。選んだ曲はどれも、それ本来の姿を保ちながら、かつ新しく変える余地を持ってて、元の曲作りの素晴らしさに驚いた。曲の良さのあかしだよ。
このへんが新生クリムゾンの真髄なんだろうな。しかも3ドラムスって。いくら好々爺になったとはいえ (笑)、フリップ、恐るべし。
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