ジョン・エントウィッスル、キース・ムーンを語る (1/6)
「DRUM! Magazine」サイトの記事より。いつのインタビューか不明だが、キース・ムーンの死後だ。ザ・フーは、「リードヴォーカル + リードギター + リードベース + リードドラムス」って話もあるくらい、特異なリズム隊だったが、その「リードベーシスト」が「リードドラマー」について語っている。
→ Partners In Time: John Entwistle & Keith Moon
- キースはタイムキープがしっかりできない。調子が悪いと遅くなるし、良いと速くなるし、普通だと普通だ。シンバルを叩きまくるだけで、ハイハットがちゃんと使えないから、イライラする。彼はその場限りの奴なんだ。ま、俺達みんな、そうだけどな。お互いにその場で合わせながら、音楽を作っていく。他の奴らとは全く違ってて、すごく変わったやり方だ。だが、それでうまく行ってる。つまり、タイムキーパーはたぶん俺だ。だから、時にはシンプルなベースに徹しないといけない。キースが出しゃばってきたら、タイムを調整したり、いったい何をやってんのか、バスドラムを見に行ったりする。ドラムキットごと階段を転げ落ちてるみたいな音がしたりするからね (笑)。タイム合わせに、たいていはバスドラムを聴くが、スネアってこともある。スネアの音で埋め尽くされてることも、しょっちゅうだけど。バスドラムと他を均等に聴くってことかな。だいたい、彼のドラムはどれも同じ音に聞こえるんだよ。どれも同じにチューニングしてるから。小さいタムは高音で、フロアタムは低音だが、違いはそれだけだ。どれかがなくなっても、代わりがあるようにね。
ザ・フーはギターとドラムスが、音でも視覚面でも暴れ回るから、淡々と凶暴な音を出すエントウィッスルのベースが要だったんだろうな。それにしても、キース・ムーンの生き様も、ジョン・エントウィッスルの死に様も、ロック・スターかくあるべし、みたいな壮絶なものだった。
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