マイケル・シュリーヴ、ツトム・ヤマシタ「Go」を語る
ツトム・ヤマシタ (海外では Stomu Yamashta の名で活動してた) の「Go」(1976年) は、スティーヴ・ウィンウッド、マイケル・シュリーヴ、クラウス・シュルツェ、アル・ディ・メオラって、ジャンルも出身もてんでんばらばらな錚々たる面々をまとめ上げたプロジェクトで、どうやって集めたんだろってのが昔から気になってた。これはファン有志が、それぞれのインタビューから抜粋して作った記事より。
→ The Music Aficionado | Stomu Yamashta's Go
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ある時、こんなジャケットのレコードを見つけたんだ。大量の打楽器が半円形に並べられてて、そこにツトムがいる。シンバルとかゴングとか色んなドラムとか、ありとあらゆる打楽器だらけで、すごいや!って思った。その前で、黒い長髪をなびかせた男がティンパニのスティックをくわえたまま宙を跳んでる。何者だ? そして、思った。自分はドラムキットの後ろでただ座ってるだけだ。自分だってステージではね回りたいよな。
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ツトムの音楽はやたらメタリックで、ものすごくヘヴィだった。あるコンサートの後、彼の「Prison Song」のテープを流しながらベッドに入ったんだけど、しばらくしたら目が覚めてしまった。曲のクライマックス、チェーンの騒音なんだ。飛び起きて、ベッドに腰かけて、思った。こりゃ何なんだ? 奴は何やってんだ? それ以来、打楽器での表現ってのを本気で考え始めた。他の打楽器奏者の誰よりも彼に興味を持つようになった。そして、何としても会いたくなった。4~5年はかかったかな。
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サンタナで250日以上ツアーしてた年だった。ちょうど最後の日、ローマで、ツトムが同じホテルに泊まってるのを知ったんだ。さっそく会いに行って、一緒にレコードを作りたい、一緒にアバンギャルドな演奏をしたいって言った。そうしたら、彼はポップスを他の音楽と融合するってビジョンをちょうど具体化しようとしてた最中で、ウィンウッドもいるし、クラウス・シュルツェもいるし、ってことだった。
ちなみに、1973年のサンタナ初来日 (「Lotus」に収録されてるやつ) の時、シュリーヴはヤマシタの全てのアルバムを買って帰ったって話がある。
シュリーヴ、ニール・ショーン、グレッグ・ローリー、マイケル・カラベロ、ホセ・アレアスの初期サンタナ組 + アルフォンソ・ジョンソンって面子で、アブラクサス・プール (Abraxas Pool) ってバンドを作って、同名のアルバムを一枚だけ出してるんだけど、音源は YouTube にあるだけで、どのサブスクリプションにもない (紛らわしいアカウントやプレイリストがあるだけ)。サンタナ + ジャーニーなサウンドってわけでもないけど (笑)、なかなか面白いのにな。謎。
→ YouTube | Abraxas Pool - Abraxas Pool (Full Album)
ちなみに、ここからアレアスが抜けてカルロス・サンタナが入ったのが (ベースも別人) 、「Santana IV」。抜けたのには理由があるんだけど、ここには書かない。
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