トッド・ラングレン、「Todd Rundgren's Johnson」を語る (2/6)
「Guitar International」サイトの2011年6月の記事より。アルバムごとに七変化どころか百変化を見せてくれるトッド・ラングレンが、今回はブルースの神様 (悪魔?)、ロバート・ジョンソンのカバーに挑んだ。そのいきさつなどを語っている。
→ Todd Rundgren's Johnson: The Interview
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どの曲も、クリームのカバーを参考にしたり、ザ・ヤードバーズのカバーを参考にしたりはしなかった。元のロバート・ジョンソンの録音まで戻って、0から作ったんだ。まずギターをよく聴いて、特徴をつかんで、ギターの基本テーマを作る。今度はヴォーカルをよく聴いて、メロディをつかむ。
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ジョンソンあたりを起源とするブルースじゃ、即興性が最も基本的な特徴の一つだ。同じ演奏は二度としない。ジャズも即興だ。だが、大元のメロディを踏まえた上での即興だ。ブルースが即興なのは、前回どんな演奏をしたか憶えてないからなんだ (笑)。オリジナルと同じ題で同じような歌詞でも、別のバージョンじゃ全く違う曲になってるなんて、しょっ中だろ (笑)。同じ時期、それこそ同じ日に録音してるのに。もちろん譜面なんてないし、記憶だけが頼りだからね。だから、それぞれの曲を特徴づけてるメロディの要素を見つけ出すのが、大きな挑戦だった。例えばクリームの「Crossroads」は、ジョンソンがあの通りの演奏をしてたとは思えないよな。彼は何となくあんな感じの演奏をしてただけで、けど、エレクトリックなブルースの求道者たち (白人のブルース・ロックのことを言っている) は、即興の部分を減らしてテーマを固めて、同じ演奏を繰り返せるようにしたんだ。俺も同じ方法でやった。ただ、彼の演奏に現れる「印」みたいなものを使ってね。それはほんの一瞬しか現れないかも知れない。だが、耳にこびりつく何か、他で置き換えられない何かなんだ。
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