ジェフ・ベック、「Guitar Shop」を語る (1/6)
「Guitar Shop」発表直後の1989年のインタビューが、2010年6月にウェブに掲載されたもの。共同制作したトニー・ハイマスとテリー・ボジオも同席して、合いの手を入れている。
→ Jeff Beck Interview: Blow by Blow
- アルバムを作ろうとすると、何を弾こうか、どう作ろうか、誰とやろうか、色々と考えないといけない。それも真面目にね。なので、なかなか取りかかれなかったんだ。トニー・ハイマスは都合つくかなとか、ドラマーは誰がいいかなとかも問題だし。サイモン・フィリップスって案もあって、ずっと仲よくしてるけど、今回はザ・フーの再結成ツアーの仕事が入ってて、都合が合わなかった。それが、ミック・ジャガーのビデオ「Throwaway」を作る時にテリー・ボジオに会った。彼だ!と思ったよ。「よし、トニーに電話して、彼のことを伝えよう」。辛抱した甲斐があったってもんだ。
ハイマスの補足
- ジェフと私はバックグラウンドが全く違うけど (トニー・ハイマスはクラシック出身)、何を面白がるか、発想が似てるんだ。今回はジェフ、テリー、私それぞれのアイデアを混ぜ合わせた。「There and Back」の時と違って、私が基本構成を持ち込んだりはしなかった。例えば、ジェフが何かギターのモチーフを思いついたら、私が「それ行こうか。もう一度弾いてみてくれよ」とか。
ボジオの補足
- ミック・ジャガーのビデオ収録には前日に呼ばれて、行ったらレンタルのドラムキットとスティックが置いてあった。だが、演奏し始めた途端にスティックが一本折れて、残りの一本で叩き続けないといけなくなった。悪夢だったが、ジェフが「俺と一緒にやる気はないか」って言ってくれたんだ。
20年以上前の話だし、ベックの一番人気なアルバムでもないけど、ギター・インストゥルメンタルの一つの極北なんじゃないかと思う。この後、ベックは10年の沈黙に入って (車いじりの日々か? (笑))、一方で、トニー・ハイマスとテリー・ボジオはよっぽどウマが合ったらしく、ザ・ロンリー・ベアーズを結成してアルバム3枚とベスト盤まで出してる。そのへんはいずれボジオのインタビューの紹介で。そういや、第二期ジェフ・ベック・グループの、ベックとコージー・パウエルを除く残党も、ハミングバードってフュージョンバンドを作ったりしてたな。
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