ジェフ・ベック、1980年代の速弾きギタリストを語る
インタビューとしては、2012/6/3 からの「ジェフ・ベック、「Guitar Shop」を語る」の続き。1989年のインタビューが、2010年6月にウェブに掲載されたもの。
→ Guitar International: Jeff Beck Interview - Blow by Blow
- ジョー・サトリアーニとかの新しいギタリストは、彼らなりのスタイルを極めてるとは思うが、それだけだ。技術的には完成されてるが、音楽的には何がやりたいんだろうね。驚くようなソロを弾くけど、ただ練習してるようにしか聞こえない。激しいけれど、どうも今一つ魂が感じられない。1980年代のギタリストが20年前の1960年代のように大きな流れを作れるかどうか、俺には判らない。音楽そのものがどうなるかによるしな。1960年代の音楽が大切にしてもらえたり、ノスタルジーだったり、そういうのがあれば、20年前を振り返って「これを聴け」ってことになるだろうけど、俺はそうは思わない。今のギタリストは、誰も同じに聴こえるんだよ。毎日、恐ろしい物量の音があふれてる。どれが誰なんだか、普通のリスナーが聞き分けられるとは思えない。じっと座ってよーく聴けば、誰が弾いてるのか、分かってくるだろうけど、あまりにも速くて、タッピングばっかりだし、もう人間の耳や脳みそじゃ付いていけないよ。そういう速弾きやタッピングは、どうもちょっとお笑いに聴こえちまうんだよな。気の狂ったノミがフレットボードを跳ね回ってるみたいな。もっとアグレッシブで始末におえないようなやつが聴きたいよ。器用なのはいいけど、だけどなぁ。
2012/2/13 「ジョー・サトリアーニ、ジミ・ヘンドリックスを語る」、2012/3/30 「リッチー・ブラックモア、エドワード・ヴァン・ヘイレンを語る」、2012/4/17 「リッチー・ブラックモア、ジョー・サトリアーニを語る」あたりと読み比べると面白い。
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