キース・ムーン、ザ・フー加入の経緯などを語る (8/8)
「DRUM! Magazine」誌サイトに2013年8月に載ったもの。元は1972年4月の「Melody Maker」紙の記事とのこと。原題からして「Rare Interview」なんてなってて、確かにかなり貴重だろうと思う。
→ DRUM! Magazine | Moon Probe: A Rare Interview with Keith Moon
なぜロンドンを離れたんですか。
- チェルシー (ロンドンの一角。高級住宅街) に住んでたんだけど、だんだん変になってきたんだ。全然落ち着けない。3:05にスピークイージーが閉まるだろ。とたんに電話ががんがん鳴るし、車がわらわら家に集まってきて、みんななだれ込んでくる。毎晩だ。もう我慢できない。俺は寝たいんだ。家に帰るのが怖くて仕方ない。信じてくれないかも知れないけど。とにかく、もうあそこには住めない。それでホテルのスイーツに住むようになったわけだ。
最初の頃は、さんざんクラブめぐりしてませんでしたか。
- そうだね。クラブは好きだよ。ジョンか俺のどっちかが必ずいただろうな。一緒に行くことも、よくあった。
ザ・フーから誰かが抜けたとして、それでもザ・フーを続けていけると思いますか。
- 無理だな。解散するしかないだろうね。誰か一人だけ先に嫌気がさすなんてことはないと思う。誰かが抜けるとしたら、とっくにそうなってるよ。俺は一生ずっとみんなと一緒にやっていけると思ってる。ザ・フーの他に、一緒にやりたい奴なんていないしな。
タウンゼントを尊敬してますか。
- もちろんだ。奴とは最初の頃はあまりうまく行かなくて、俺はジョンとばかりつるんでたけど。俺たちはみんな、どんどん互いに尊敬するようになってきた。ピートは言いたいことを何でも曲にできるし、俺たちがどう演奏したらいいか、いつも考えてくれてる。
家ではどんな音楽を聴いてますか。
- サーフィン・ミュージック (ザ・ビーチボーイズとか) や1950年代のアメリカン・ポップスだね。タイトルがいかしてるし、アホみたいな歌詞もいい。「2トンのメタル (車のこと) にぞっこんだ」とかさ。「Tell Laura I Love Her」なんか、極めつけだ。
まだオックスフォード近くのホテルを持ってるんですか。
- いや、叩き売ろうとしてるところなんだ。もう少しロンドンに近いほうがいい。
引退したらパブをやろうとか思ってませんか。
- バーのどっちかの側にはいたいよね。
「Tell Laura I Love Her」の歌詞の大意 (そのまま載せると J#SR#C に引っかかるんで) ...
- トミーはストック・カー・レースの広告を見て、結婚指輪を買う金を稼ぐために、ローラに「ちょっと遅れるから」と伝言して、出場する。そして、事故で死んでしまう。ローラは、チャペルで一人、トミーのために祈るのだった。
... んー、どこが面白いんだか、ちっとも判らないぞ。
それにしても、「もしもザ・フーから誰か抜けたら?」って、何とも暗示的だな。「俺は死ぬまでザ・フーと一緒」、たしかにその通りになってしまった。
関連の記事
- 2012/5/26 - ジョン・エントウィッスル、キース・ムーンを語る (1/6)
- 2012/6/1 - スコット・ハルピン、キース・ムーン代役事件を語る (1/2)
人気の記事
- 2016/1/26 - トニー・ヴィスコンティ、デイヴィッド・ボウイを語る
- 2014/9/8 - ロバート・フリップ、「キング・クリムゾンの掟」を語る
- 2012/6/25 - トッド・ラングレン、「Todd Rundgren's Johnson」を語る (5/6)
- 2012/1/15 - スティーヴ・ヴァイ、ヴィニー・カリウタを語る